フロントエンド処理 mimi®︎ XFE

NR概要

XFE NR は、XFE での製品名で Noise Reduction(ノイズリダクション)の略語です。1ch音声(モノラル音声)に含まれるノイズ成分を推定し、ノイズを弱める機能を持ちます。

XFE NR は、ノイズ学習型のノイズサプレッサーではありません。このため抑制できるノイズは、空調雑音、車両の走行音・風切り音、機械音など、比較的定常的なノイズに限られます。その代わり、定常的なノイズに対しては強力な処理であり、人間の声がほぼ聞こえないような音声に対しても有効です。

ただし、多チャンネル音声が利用できる場合、XFE BF を利用する方がより優れています。XFE BF や XFE VAD、XFE EC の前段・後段処理には、XFE NR の処理の一部が組み込まれているため、XFE NR を別に利用する必要はありません。

ボイラー室

ノイズ学習型のノイズサプレッサー

最近では、典型的なノイズを事前学習させることで、そのノイズを抑制することができるニューラルネットワークを活用したノイズサプレッサーが登場しています。この仕組みは、事前に学習されたノイズに対しては極めて有効に働きますが、学習データに含まれないノイズに対しては十分な性能を発揮しない場合があることが知られています。当社では、ノイズ抑制に対して多チャンネル入力を中心に製品化がなされていますが、学習型のノイズサプレッサーについても研究開発を進めています。

XFE NR が利用される場面

1個のマイクしか搭載されていないハードウェア

マイクが1個の場合、XFE BF などの複数マイクを利用したノイズ抑制処理を適用することができません。このような場合は、XFE NR を利用することが役に立つ場合があります。しかしながら、XFE NR はノイズ学習型ではないため、抑制できるノイズは比較的定常的なノイズに限られます。例えば、新幹線の走行音や、大型機械の稼働音、エンジン音等には有効ですが、赤ちゃんの泣き声のみを狙って消すといった用途に利用することはできず、利用用途は限られます。高騒音環境においては、複数マイクを利用することを推奨しています。

他の音声処理モジュールの前段・後段処理

XFE の各モジュールにおいて、XFE NR の機能は前段・後段処理で利用されています。お客様独自に何らかの信号処理・解析機能を実装する際に、XFE NR の全体もしくは一部を利用していただくことで、性能を向上できる場合があります。

XFE NR の特徴

シングルマイクで適用可能

XFE NR はマイクが1個の場合でも適用可能なノイズリダクションアルゴリズムです。

副作用の少ないアルゴリズム

定常的なノイズに強力な効果を発揮しますが、非定常的なノイズに対しても出力音声の劣化を最小限に抑え、どのような入力信号に対してもバランスよく副作用が抑えられています。このため、他の信号処理アルゴリズムの前段・後段に組み合わせることで、簡易に耐雑音性を向上させるために利用することができます。

高速・軽量

組込環境でもリアルタイムに動作します。

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