スマートスピーカーとしての機能を備えた16chマイクアレイ
Tumbler(T-01)は、当社 T シリーズマイクアレイの最初の製品です。スマートスピーカーとしての機能を備えた 16ch マイクアレイであり、外部 PC と USB 接続することで通常のマイクアレイとして動作するだけでなく、内蔵されている Rapsyberry Pi Compute Module を使うことで単独でも動作することができます(同時に利用することはできません)。
Tumbler には、Raspberry Pi Compute Module 3 が搭載されており、OS は Linux ディストリビューションのひとつである Raspbian が搭載されています。出荷時には ssh によるアクセス機能が提供されているため、一般的な Linux 環境で音声ソリューションの開発を行うことができます。
Tumbler に搭載されている各種ハードウェアを制御するための内部プロトコルや、サブシステム(arduino)のファームウェア等の一式の情報は、全てオープンソースとして公開されていますので、お好きな言語で開発を行うことができます。
C/C++ を利用する場合には、libtumbler という開発用 SDK もオープンソースとして公開されていますので、開発を加速することができます。
Tumbler には 16 個のマイク素子を搭載した 16ch マイクアレイが搭載されています。正八角形のマイク基板が約5cm間隔で上下に二段搭載されており、16ch の各マイクは正八角柱の各頂点に位置しています。寸法などの詳細情報は、こちらで公開されています。
この立体的なマイクアレイを活用することで、水平方向の音源定位だけではなく、垂直方向の音源定位も行うことができるため、音源位置を3次元的に決定することができるようになります。
Tumbler 上で動作する専用の XFE は、そのサンプルプログラムと共に、Github 上でバイナリリリースがなされています。
Tumbler 用 XFE の詳細な利用方法は Github 上で説明されていますが、XFE 機能として、EC、VAD、BF、LOC が提供され、それぞれユーザープログラムから任意の設定を行うことができます。これらの組み合わせによって、高性能な集音を行うことができるようになります。
Tumbler と外部 PC を専用ドック経由で USB 接続することで、Tumbler 内蔵の Raspyberry Pi Compute Module 3 をバイパスして、マイクアレイサブシステムのみを外付けマイクアレイとして USB 経由で外部 PC から利用することができます。別製品である T-03/T-03C と同様の利用が可能になります。
仮想マイクドライバを利用することで、Tumbler を高性能な単一マイクとして、ビデオ会議サービスなどの、パソコン上の一般のアプリケーションプログラムから利用することもできます。この場合の XFE は本製品には含まれておらず、 Github 上では提供されておりませんので別途お問合せください。
Tumbler には、環境センサ―(BM280)、光センサー(LTR-329ALS)、及び簡易的な赤外線 I/O モジュール(実験用)が搭載されています※。環境センサーは、温度、湿度、気圧データを取得でき、光センサーは周辺の明るさを取得することができます。Tumbler 上に音声対話システムを構築する場合に、こういった周辺環境センサーの情報を利用することで、ユニークな対話システムを構築することができます。
赤外線 I/O モジュールは、簡易的な赤外線近接センサーとして利用することができます。Tumbler の正面に人が来た時に、それを検知することができるので、Tumbler 側から音声で呼びかけるなどのインタラクションを実現することができるようになります。
表示装置としては、18個のフルカラー LED を実装した LED リングが搭載されています。LED リング上のアニメーション表現は libtumbler を使うことで、自由に作成することができ、Tumbler が音声を受理している状態を表現するために利用することができます。
※搭載されていないバージョンのハードウェアもあります
Tumbler のスピーカーは 360 度に音声を放射する 1.1 ch スピーカーとなっており、パッシブラジエーター搭載のメインスピーカーと、小型ツイーターからなります。このスピーカーとマイクは適切に音響分離されており、XFE EC が有効ですので、バージイン発話に対応することができます。
スピーカーは通常は Raspberry Pi Compute Module 3 の OS 上から音声再生させますが、別系統で Bluetooth スピーカー機能が搭載されています※。これにより OS 上から音声再生命令を送ることなく、外部 PC 等からの音声を直接再生させることができます。外部 PC から再生された音声に対しても XFE EC は有効です。
※搭載されていないバージョンのハードウェアもあります
Tumbler には専用ドックが提供されています。Tumbler の各種機能の拡張や、有線 LAN 接続、Tumbler をホストとした USB ハブ等の機能を持ちます。専用ドックの詳細はお問合せ下さい。