作業者は駐車場の車(NISSAN FUGA)の後方に移動し、トランクを開けます。トランク内に保管されている透明な衣装ケースの蓋を開け、中から軍手を取り出して両手にしっかりと装着します。続いて、作業に必要なワイヤーブラシ、KURE コンタクトスプレー(接点復活スプレー)、および布(ウエス)を取り出します。安全かつ効率的な作業を行うための準備段階であり、必要な道具を一度に取り出すことで後の作業をスムーズに進める目的があります。
作業者は車の前方に移動し、NISSAN FUGAのボンネットを開けてエンジンルームにアクセスします。エンジンルームの左奥に配置されているバッテリーにアクセスするため、黒いプラスチック製のバッテリーカバーを手で取り外します。カバーはツメで固定されているため、慎重に持ち上げて外しています。これにより、バッテリーのプラス端子およびマイナス端子が完全に露出した状態となり、後続の端子取り外しや清掃作業が可能になります。
作業者は10mmのコンビネーションレンチを使用し、バッテリーのマイナス端子(黒いケーブル)のナットを緩めます。ショートを防ぐためのセオリー通り、必ずマイナス端子から先に取り外す手順を守っています。レンチでナットを十分に緩めた後、端子をポストから上に引き抜いて外します。外したマイナス端子のケーブル側金具を、手持ちの布を使用して丁寧に拭き、表面に付着している汚れや酸化物を大まかに取り除きます。
マイナス端子を外して安全を確保した後、作業者はバッテリーのプラス端子の取り外しに取り掛かります。まず赤いプラスチック製の保護カバーを手で開け、プラス端子の固定ナットを露出させます。次に、10mmのレンチを使用してナットを反時計回りに回して緩めます。ナットが十分に緩んだことを確認した後、ケーブル側金具を揺らしながら引き上げ、バッテリーポストから完全に取り外します。これにより両方の端子が外れました。
作業者は取り外したプラス端子のケーブル側金具を手に持ち、用意していた布を使って金具の表面や内側を丁寧に拭き取ります。端子部分には経年劣化による汚れやわずかな腐食が発生しやすいため、スプレー塗布前の下準備として物理的な汚れを拭き取る目的があります。細かい部分の汚れを落とすことで、後に行うワイヤーブラシでの研磨作業の効果を高め、最終的な電気接点の回復へとつなげます。
作業者は真鍮製のワイヤーブラシを手に取り、バッテリー本体側のプラス端子ポスト(鉛の柱)を直接磨き始めます。ブラシを上下左右に動かし、ポスト表面に形成された酸化膜や頑固な汚れを物理的に削り落としています。鉛は柔らかい金属であるため、適切な力の入れ加減で均一に磨くことが重要です。金属の地肌を露出させることで、ケーブル側金具を取り付けた際の電気抵抗を最小限に抑え、導通不良を防ぐ効果があります。
プラス端子ポストの研磨を終えた作業者は、続いてバッテリー本体側のマイナス端子ポストの研磨に移行します。先ほどと同様にワイヤーブラシを使用し、ポストの全周をくまなく擦って酸化膜や汚れを削り落とします。特に端子の根元部分や裏側など、金具と直接触れる面積が大きい部分を念入りに磨いています。バッテリーの性能を最大限に引き出すためには、プラス・マイナス両方の接点がクリーンな状態であることが不可欠です。
バッテリーポスト本体の研磨が完了した後、作業者はマイナス端子およびプラス端子のケーブル側金具のリング内側部分をワイヤーブラシで磨きます。金具の内側部分はバッテリーポストと直接接触する最も重要な面です。ブラシをリングの内側に挿入し、回転させたり前後に動かしたりして内壁に付着した見えない酸化皮膜や汚れを取り除きます。研磨後には再び布で削りカスを拭き取り、接点表面を完全に綺麗な状態に仕上げます。
研磨作業が完了した後、作業者は車の前方に置いた道具類の中から「KURE コンタクトスプレー(接点復活スプレー)」の缶を手に取ります。キャップを外し、付属の赤い極細ノズルをスプレーの噴射口にしっかりと差し込んでセットします。このスプレーは、電気接点の汚れを落とすとともに、接点表面に薄い保護被膜を形成して迷走電流を防ぎ、導通を回復・安定させる役割があります。細かい箇所へ正確に噴射するための準備工程です。
作業者は準備したKURE コンタクトスプレーを、バッテリーのマイナス端子ポストおよびマイナス側のケーブル金具に対して噴射します。ノズルを使って接点となる金属部分に直接液剤を行き渡らせます。スプレーを吹き付けた後、余分な液剤が周辺の樹脂パーツやバッテリー上面に垂れないよう、すぐに布を使って軽く拭き取ります。薄い保護被膜だけを残すことで、ホコリの付着を防ぎつつ接点の酸化を防止する効果が期待できます。
マイナス端子への処置を終えた作業者は、同様の手順でプラス端子側にもKURE コンタクトスプレーを塗布します。プラス端子ポストとケーブル金具の内外にスプレーを吹き付け、接点復活剤を浸透させます。その後、すぐに布で余分な液剤を丁寧に拭き取ります。液剤が他の部品に付着すると劣化の原因になることがあるため、確実な拭き取りが重要です。これで両端子の接点回復と防錆コーティングの処理が完了しました。
接点の清掃とスプレー塗布が完了し、作業者はバッテリー端子の再接続を行います。取り外し時とは逆の順序に従い、まずはプラス端子のケーブル金具をプラスポストに被せ、奥までしっかりと押し込みます。その後、マイナス端子のケーブル金具をマイナスポストに被せます。この段階ではまだナットは締め付けておらず、両方の端子が正しい位置にセットされていることを確認するための仮組みの状態です。
端子をポストにセットした後、作業者は10mmのレンチを使用して固定ナットを締め付けます。まずプラス端子側のナットを時計回りに回して本締めを行い、金具がポストにしっかりと固定され、手で揺らしても動かないことを確認します。続いてマイナス端子側のナットも同様にレンチで締め付けます。接点不良や走行中の振動による端子の抜けを防止するため、適切なトルクで確実な締め付けを行う非常に重要な工程です。
両端子の確実な締め付けが完了した後、作業者はプラス端子を保護している赤いプラスチック製カバーを元の状態に閉めます。カバーのツメがカチッと音を立ててはまるまで押し込み、プラス端子全体が完全に覆われたことを確認します。プラス端子がむき出しになっていると、工具などの金属が触れた際に車体とショートして火花が散る危険性があるため、この保護カバーの装着は安全上必須の手順です。
作業者は最終確認として、マイナス端子付近にあるもう一つのナット部分に10mmレンチを当て、増し締めを行います。微小なガタつきが残っていないかを念入りにチェックし、必要に応じて少しだけレンチを回してトルクをかけます。電気系統のトラブルはわずかな接点不良から起こることが多いため、作業の最後にすべての接続部が強固に固定されていることを再確認しています。
バッテリー端子の作業と確認がすべて完了し、作業者は最初に取り外した黒いプラスチック製のバッテリーカバーを元の位置に戻します。エンジンルーム内の所定の溝に合わせてカバーを被せ、手で上から軽く押さえてしっかりと固定します。このカバーはバッテリーをエンジンルームの熱や水分、汚れから保護する役割を持っており、浮きやズレがないように正確に取り付けることで一連のエンジンルーム内作業が終了します。
作業者は車の前方に置いていたKURE コンタクトスプレー、赤いノズル、ワイヤーブラシ、10mmレンチ、そして使用済みの布を回収します。スプレー缶からノズルを取り外し、すべての道具をまとめて手に持ちます。その後、車体の横を通ってトランクへと戻り、最初に取り出した透明な衣装ケースの中にすべての道具をきちんと収納して蓋を閉めます。作業現場に工具を置き忘れないための基本的な後片付けの動作です。
道具の片付けを終えた作業者は、再び車の前方へ移動し、開いたままになっていたボンネットを下ろして確実に閉めます。ボンネットが浮いていないことを確認した後、運転席側のドアを開けて車内に乗り込みます。これにより、バッテリー端子の接点復活と清掃を目的としたメンテナンス作業がすべて無事に完了しました。車に乗り込む動作から、この後エンジンを始動して通電状態の確認を行うものと推測されます。